「居酒屋開業:深夜営業に必要なのは許可?それとも届出?」
居酒屋は言うに及ばず、レストラン,ラーメン店,大衆食堂等、多くの飲食店ではメインとされる料理の他、ビールや焼酎などのお酒を提供しています。
これらごく普通の飲食店では、酒税法の制約を受けず酒類を提供して良いという話しは以前しました。
(飲食店での酒類提供に関する記事は下記リンクを参照)
しかし飲食店の中でも、深夜酒類提供飲食店と呼ばれるお店では、風営法の規制により公安委員会(警察)への届出が必要になります。
では、深夜酒類提供飲食店とは、どのようなお店なのでしょうか? 今回は、風営法から見たお酒の提供について解説いたします。
深夜とは何時を指すのか?
深夜酒類提供飲食店とは、文字通り深夜もお酒を提供する飲食店のことです。
では、深夜とは何時を指すのでしょうか?
風営法における深夜とは、午前0時から日の出までを指します。
よって深夜酒類提供飲食店とはお酒を提供する飲食店のうち、午前0時以降も営業するお店のことなのです。
酒類提供飲食店とは?
前項で深夜とは、午前0時から日の出までであることが分かりました。
では酒類提供飲食店とは、どのようなお店を指すのでしょうか。
お酒を提供すれば、すべて酒類提供飲食店でしょうか? 提供するお酒の種類や量によって違いはあるのでしょうか?
ここでは、警察庁より通達されている解釈運用基準をもとに、酒類提供飲食店とはどのようなものかを考えてみましょう。
警察庁:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準についてより
酒類提供飲食店とは、簡単に言えばお酒を提供するお店のことです。
しかし、お酒を提供すればすべてが酒類提供飲食店となるのではなく、ご飯物,麺類などの主食の提供がメインとされる飲食店はこれにあたりません。
同解釈運用基準についてより
酒類提供飲食店とは、あくまでお酒を提供するか否かによって判断され、提供するお酒の種類や量は問題ではありません。
発泡酒であれば規制を受けないとか、提供する量が多いから規制を受けるというものではないのです。
ア.営業時間中客に常に主食を提供している店であることを要し、例えば、1週間のうち平日のみ主食を提供する店、1日のうち昼間のみ主食を提供している店等は、これに当たらない。
イ.客が飲食している時間のうち大部分の時間は主食を提供していることを要し、例えば、大半の時間は酒を飲ませているが、最後に茶漬を提供するような場合は、これに当たらない。
ウ.「通常主食と認められる食事」とは、社会通念上主食と認められる食事をいい、米飯類、パン類(菓子パン類を除く。)、めん類、ピザパイ、お好み焼き等がこれに当たる。
同解釈運用基準についてより
酒類提供飲食店にはあたらない、すなわち風営法の規制対象外となるのは、営業時間中常にご飯物や麺類などの主食を提供している飲食店であり、このようなお店では0時以降であってもお酒の提供に規制を受けません。
これに対して居酒屋などのいわゆる飲み屋は、お酒の提供がメインであると考えられるため、お茶漬け,焼きおにぎり,焼うどんなどは主食を提供しているとは認められないのです。
まとめ
お酒の提供がメインで、かつ0時以降も営業する場合には、公安委員会への届出が義務付けられています。(許可ではなく、あくまでも届出です。)
深夜酒類提供飲食店として風営法の規制を受けるのは、身近なところで言うと0時以降も営業している居酒屋や焼き鳥屋などをイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。
いわゆる深夜営業の飲み屋さんは、届出が必要であると理解してください。
・バー(届出をすれば0時以降も継続して営業可)
・居酒屋(同上)
・焼き鳥屋(同上)
・大衆酒場(同上)
これに対して、ラーメン屋や蕎麦屋など主食を提供する飲食店は、たとえ0時以降お酒を提供しても風営法の規制対象外となります。
・レストラン(届出無く0時以降も継続して営業可)
・ラーメン店(同上)
・蕎麦屋(同上)
・お好み焼き屋(同上)
いかがだったでしょうか、今回は風営法で規制を受ける深夜酒類提供飲食店とは、どのようなお店であるかを解説しました。
以上皆様のお店で、深夜営業を検討するうえでの参考になれば幸いです。
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